Webキャンペーンのしかけ方。

多くのblogで良書との意見を目にし、前から読んでみたかった「Webキャンペーンのしかけ方。 広告のプロたちがつくる“つぎのネット広告”」。

クリエイティブを生業としているものの、どう考えても業界的にはかなりの底辺部でお仕事をしている自分には、本書で取上げられているような有名企業のキャンペーンサイトの制作に携わるという経験は皆無なだけに、その舞台裏や制作コンセプトを知ることはとてもスリリングでした。

4人のクリエイティブディレクターの方それぞれが、自身が関わったウェブキャンペーンを事例として紹介されているのですが、共通して述べられているのは、「コミュニケーションの仕組みをデザインする」ということ。

blogやSNSYouTube等を利用するという行為は、結果的にはどれも「今流行りのWeb 2.0的手法」なのですが、そのツールを採用するに到るまでの思考の純度がとても高く、CGMを利用すれば、自ずとそこにコミュニケーションが成立し、バズが喚起され、最終的に製品の認知や売上げに繋がるだろうという安直な発想とはまったく逆の視点から、メディアとしてのウェブを捉えています。

ウェブは最終的な目標を実現するためのツールに過ぎない、という至極当たり前の言葉は、「そのツールを使ってオマエは一体何を表現するの?」という問いかけとなり、ざっくりと僕の心の臓をえぐってくれます。